「元気」という言葉にも表される「気」は、全身を隅々にわたって清流の様に流れることで生命を支えていますが、体調を崩すと、その清流は直ぐに濁ってしまいます。その状態を放置することによって、人は体の不調を感じるのです。
そこで気の流れを整えるのに効果的なのが、はり・きゅうです。気の流れが滞っている場所いわゆるツボに、はりやお灸をすることで、気の流れを整えるのが、はりきゅう治療です。
例えば、腰痛で苦しんでいる患者さんがいるとしましょう。痛い部分に、直接、はりやお灸をする方法もありますが、当院では、全身を診ることにより気の流れを整える治療に、効果があると考えております。はり・きゅうを、物理的な刺激を与える道具とは考えず、気の流れを変えられる道具と考えているからです。結果として、腰痛で苦しんでいる患者さんが、痛い所だけではなく、普段あまり意識していなっかった箇所まで改善されるという効果も期待できます。
脈診、腹診って何?
手首にある脈を診るのが脈診です。
手首の脈は、全身の気の状態が良く分かる部分ですので、この脈を診ることによって、現在の状態が分かります。また、腹診とは、お腹はその人の体質が現れる場所です。実際にお腹に触れ、熱くなっているところ、冷えているところ、張っているところなどを診ることによって、その人の体質を把握します。
はりって、なんか痛そうだけど?
当院で使う鍼は、直径約0.2mmと非常に細い鍼ですので、痛みは少ないです。
なお症状にもよりますが、鍼は皮膚から1~2mmのところに刺すことが多く、神経を障ることはありません。
はりから感染することはない?
当院で使う鍼は、使い捨て鍼ですので、感染などの心配はありません。
お灸ってどんなもの?
お灸はヨモギの葉から作られるもぐさを燃やし、ツボに温熱の刺激を与えます。
肌に直接するお灸、台座の上にもぐさがおいてあるお灸、
さらには温灸器と呼ばれる間接的にからだを温める器具等様々なお灸があります。
お灸は火傷しない?
「やいと」と呼ばれていた昔とは違い、台座に乗っているお灸もありますので、火傷の痕が心配な方にお勧めします。
鍼灸治療の科学的根拠は?
近年、NIH(米国国立衛生研究所)は、
鍼灸治療が各種病気の治療に有効であるとともに、その科学的根拠を発表しました。
WHO(世界保健機関)が、鍼灸療法の有効性を認めている病気のうち、身近なものとしては以下のものがあります。
神経痛・不眠・五十肩・腱鞘炎・腰痛・喘息・風邪および予防・冷え性・不妊・耳鳴・難聴・眼精疲労